肌に傷をつけずにリフトアップする方法に、「サーマクール(高周波治療)」と「ハイフ(HIFU)」があります。どちらも機器を肌に当てエネルギーを照射することで肌の引き締めを行いますが、この二つの治療の違いはご存知でしょうか?
共通点の多い2つですが、実は違いも多くあります。違いを知り、より自分に合ったフェイスリフトができるように参考にしてみてください。

サーマクール(高周波治療)、ハイフについて

まずは、サーマクール(高周波治療)とハイフの概要について、簡単に説明します。

サーマクール(高周波治療)とは?

サーマクール(高周波治療)は、高周波を皮膚の奥にある真皮層へ届かせることで効果を発揮する方法です。高周波が熱を発し、コラーゲンやエラスチン(コラーゲンを支えるたんぱく質)へ作用することで皮膚を若返らせます。

皮膚の奥に直接作用するため、即効性のあるリフトアップが期待できます。またリフトアップするだけでなく、ニキビや跡の改善、妊娠線や肉割れの改善にも効果的です。コラーゲンの新生が活発になるため、長くにわたり美肌効果があることも特徴の一つです。

サーマクールの特徴

・高周波を、真皮層まで届ける。
・高周波の熱で、コラーゲンやエラスチンを生成、皮膚を若返らせる。
・即効性のあるリフトアップ
・ニキビ跡など、美肌効果も期待できる。

 

 

HIFUとは?

ハイフ(HIFU)は「高密度焦点照射式超音波治療」の略称です。
文字通り、高密度の超音波をターゲットに焦点を当て、周囲にダメージを与えずに照射し、フェイスリフトを行う方法です。
表皮に近い層や、皮膚の奥にあるSMAS筋膜(スマス:顔の表面にある筋膜)など、1点に集中して熱ダメージを与えることで、リフトアップ効果を得られます。そのため、たるみのある皮膚やほうれい線、二重あごといった顔の悩みに効果的な治療法です。

HIFUの特徴

・ターゲット1点に集中して熱を与えフェイスリフトを行う。
・周囲にダメージを与えない。
・たるみやほうれい線、二重あごに効果を発揮する。

 

サーマクール(高周波治療)とハイフの共通点と違いは?

治療の概要だけを見ると、同じような治療に感じるでしょう。2つの治療には共通点もありますが、大きな違いもあります。では、共通点と違いについて見ていきましょう。

共通点

共通点:ダウンタイム

2つの治療とも、ダウンタイムはほぼありません
HIFUについては、照射の強さによって腫れる可能性があります。その場合は1週間ほど腫れが引かないこともあるので注意しましょう。

共通点:持続期間

持続期間もほとんど同じで「半年~1年」ほどです。
治療後から引き締めが始まりますが、半年を過ぎると徐々に元の状態に戻っていき、施術前より良い状態を1年ほどキープできます。そのため、両方とも半年から1年に1度受けることが推奨されています。

共通点:治療時間

治療時間もほぼ同じく「15分程度」です。
お互いに治療時間が短く、すぐにメイク可能です。洗顔や入浴も直後から問題なく行えます。場合によっては火照りや腫れ・赤みが出るため、医師の指示に応じてクーリングを行いましょう。

違い

違い:治療後の効果

サーマクール(高周波治療)は、脂肪層まで作用するため引き締め効果が大きい治療です。しかしハイフは筋膜層まで作用するため、引き上げ効果が強くより小顔効果を得られます
そのためより効果を実感できるのは、ハイフの治療です。強力な引き上げ効果が得られるため、顔のたるみにサーマクール(高周波治療)より効果を期待できます。

効果の違い

・サーマクールは「脂肪層まで作用する」⇒「引き締め効果が大きい治療」
・ハイフは「筋膜層まで作用する」⇒「引き上げ効果が強い治療」

 

 

違い:治療可能な範囲

サーマクール(高周波治療)はほぼ全身に使うことができますが、ハイフは顔か首のみにしか使用することができません。また顔の中でも、使用できる範囲が限られる治療です。
そのため全体的な身体の引き締め、治療を希望する場合はサーマクール(高周波治療)。顔の強力なリフトアップを行いたい場合は、ハイフを選択することが多いです。

治療範囲の違い

・サーマクールは、ほぼ全身の使用が可能。
・ハイフは、顔と首に特化している。

 

 

違い:痛み

機械によりますが、ハイフはほとんど痛みがありません。しかしサーマクール(高周波治療)は、骨周辺への照射で激しい痛みを感じる場合があります(これも機械によります)。さらに、治療時に機械と接する皮膚が火傷する可能性も報告されています。そのためサーマクール(高周波治療)の治療は、医師との入念な相談が必要です。

痛みの違い

・サーマクールは(ハイフに比べ)痛みが強い。
・ハイフは比較的痛みが弱い
※ただし、どちらも機械の性能に依存します。

 

 

違い:治療範囲

治療範囲には、共通点と相違点があります。共通点は、「たるみ・毛穴のひきしめ」など。相違点はサーマクールの場合は「ニキビやニキビ跡の改善、妊娠線」ハイフは「シワの解消やフェイスラインの引き締め」などです。

治療範囲の違い

・サーマクールの治療範囲
たるみ
毛穴の引き締め
ニキビ・ニキビ跡
妊娠線
肉離れ

・ハイフの治療範囲
たるみ
開いた毛穴
シワ
フェイスライン

 

 

違い:引き締め効果

治療の効果で説明したように、引き締めに効果的なのはサーマクール(高周波治療)です。脂肪層をメインに作用するため、引き上げより引き締め効果を強く実感できます。そのため、頬や二重顎の膨らみを引き締める作用に効果を期待できます。

引き締め効果

・引き締め効果を求めるならサーマクール

 

 

違い:リフトアップ効果

リフトアップ効果がより強いのは、ハイフです。しかしハイフには、引き締め効果はほぼありません。その分リフトアップ効果が強く、顔のたるみを引き上げてくれます。そのため、顔全体のたるみが気になる人に効果的です。

リフトアップ効果

・ハイフはたるみ改善の効果が高い

 

違い:料金

料金については、部位や箇所、範囲によって大きく異なります。しかしお互いの料金を比較した場合、サーマクール(高周波治療)の方が安いです。HIFUは効果も強いですが、料金も高い傾向にあります。

料金の違い

・部位や箇所により異なるが、一般的に、ハイフの方が高い傾向にある。

 

 

違い(共通点):デメリット

たるみや引き締めに効果的なサーマクールとHIFUですが、それぞれにデメリットも存在します。

デメリットの違い

・サーマクール(高周波治療)のデメリット
火傷の可能性がある
骨の近くは激しい痛みがある
たるみ治療ではなく引き締め

・ハイフのデメリット
小顔効果が少ない
料金が高い

 

共通点と相違点を理解して、悩みに合った治療を選びましょう。

2つの治療には効果のある症状が異なることがお分かりいただけたと思います。効果だけでなく、料金やデメリットも異なってくるため、自分に合った治療を選択することが必要です。機械を当てるだけの気軽にできるフェイスリフト。治療を受けてみたいという人は、ぜひ参考に選んでみてください。