目の下がたるんでいると、どうしても老けた印象になってしまいがちです。若々しいハリのある目元を取り戻すにはどうしたらいいのでしょうか?
この記事では、目の下のたるみに対する適切な治療法を、原因ごとに紹介していきます。

原因1 眼輪筋や筋管形成能力の衰え

眼輪筋や筋管形成能力の衰えは、目の下のたるみの最も多い原因がこちらです。眼輪筋とは、目の周りを囲んでいる筋肉です。眼輪筋には、眼球や目の周りの眼窩脂肪を支える役割があります。しかし、加齢によって眼輪筋を作り出す元となる筋管形成能力が低下したり、無表情などによる運動不足で眼輪筋が薄くなると、眼窩脂肪を支えられなくなってしまいます。眼輪筋に支えられずに下に落ちてしまった脂肪が、目の下のたるみとなって現れます。

 治療法1:皮膚切開

下まつげの下を切開し、皮膚を引き上げる方法です。軽度のたるみに効果的です。ただし、皮膚だけがたるんでいるという場合は少なく、効果も出にくい方法なので、皮膚切開単独で行うことはほとんどありません。多くの場合下記で紹介する「脂肪除去」とともに行います。皮膚切開と脂肪除去は、下まつげの下を切除し、脂肪を取り出した後余剰皮膚を切除する方法が一般的です。

 治療法2:脂肪除去

下まぶたの裏側を切開し、余分な脂肪を取り除く施術です。表側に傷を残さずにたるみを改善することができます。たるみの下のくぼみが目立つ場合は、取り出した脂肪をくぼみに再配置したり、脂肪注入やPRPを併用してくぼみを埋めることで、よりふっくらとした目元を作ることができます。
たるみが重度の場合は下まつげの下を切開し、脂肪を取り出した後に靭帯や内部の処理を行うこともあります。

原因2 肌のハリを保つ組織の減少

人間の肌は、表面の「表皮」と内部の「真皮」にわかれています。
このうち「真皮」が、肌のハリを決めるコラーゲンやエラスチンを保有しています。しかし、真皮内の成分は加齢や紫外線などのダメージにより徐々に失われていきます。ハリを保つ成分が少なくなるにつれて、肌のハリがなくなりたるんでしまうのです。特に目の下の皮膚は他の個所の皮膚よりも薄く、ハリ不足が顕著にたるみに影響します。

治療法1:ヒアルロン酸注入

ハリ不足によるたるみには、注入系の足し算治療が有効です。ヒアルロン酸をたるみの下に注入すると、陰になっていた部分がふっくらし、たるみが目立たなくなります。しかし、目の下のたるみにアプローチするためのヒアルロン酸の注入は、涙袋や唇への注入よりも高度なテクニックが必要です。失敗しないように専門病院で施術を受けるか、評判の良い医師に任せるようにしましょう。

治療法2:脂肪注入

異物の注入に抵抗がある人は、ヒアルロン酸注入ではなく脂肪注入がオススメです。自分の脂肪を注入するので、感染やアレルギー反応が起きるリスクが低く、持ちも良いです。前述のように目の下から取り出した脂肪を再配置する方法と、他の部位から吸引した脂肪を使う方法があります。

原因3 血行不良

血行不良が続くと、体はむくみやすくなり、その結果顔全体にたるみが生じます。特に皮膚の薄い目の下はたるみの影響を受けやすいです。また、血行が良くないと肌のハリを保つために必要な栄養素が届かず、ハリを失ってたるんでしまいます。

治療法1:ハイフ

ハイフとは、超音波で皮膚を引き上げる最新のたるみ治療です。
切開する必要がなく、ダウンタイムが短いところがメリットです。ハイフは、肌の中の一番深いところにある「SMAS筋膜」にアプローチすることができます。そのため、肌の根底からたるみを改善することができ、他のレーザー治療より効果を実感しやすいです。顔全体がたるんでいる場合や、目の下のたるみが軽度の場合に最適な治療法です。

治療法2:スレッドリフト

ハイフで引きあがらないたるみには、スレッドリフトがオススメです。
スレッドリフトとは、肌の中に糸を入れることで肌を引き上げる施術です。目の下のたるみには、目元専用のスレッドリフトが効果的です。これには肌を引きあげるだけでなく、コラーゲンを新生する効果もあります。そのため、目の下のたるみの原因のひとつでもある「ハリ不足」も同時に解消することができ、効果を実感しやすいです。ヒアルロン酸の注入を併用して肌をふっくらさせると、より効果的です。

目の下のたるみには症状に合った複合治療がおすすめ

目の下のたるみには様々な原因があり、その原因や程度によって最適な治療法を選ぶことが大切です。軽度の症状の場合は単独治療で効果が出る場合もありますが、重度の場合やより効果を実感したい場合は組み合わせ治療がオススメです。たるみの原因がわからない場合はクリニックで専門医に診てもらい、適切な治療法を提案してもらいましょう。