フェイスリフトの方法には様々なものがありますが、短期間で確実な効果を生む方法といえば、やはり外科的手術を伴うものになってきます。
近年はダウンタイムの少ない方法が好まれる傾向が強く、切るフェイスリフトよりも糸を使ったスレッドリフトが急速に普及してきました。
しかし、スレッドリフトには下記のようなデメリットもあり、決して満足いく結果を生むとは断言できないのが実情です。
- 痛みが出る
- 糸が切れる
- 施術部位に違和感や突っ張りがある
- 口や目の周りには埋め込めない
- 効果が長続きしない
そこで注目を集めたのがスプリングスレッドリフトです。
スプリングスレッドリフトは、これらデメリットをすべて解消した注目のスレッドリフトです。
さて、スプリングスレッドリフトですが一点注意しておかなければならないことがあります。
それは「スプリングスレッド」という施術名称ですがクリニックによっては違う施術方法を指していることがあります。
一般にスプリングスレッドリフトはシリコンとポリエステルでできた長めの溶けない糸を片側2-5本程度挿入する方法を指します。
一方、湘南美容外科クリニックさんなど大手美容外科でのスプリングスレッドは、吸収される溶ける短い糸を片側10-30本挿入するタイプのもので、いわゆる韓国式美容針などに相当するタイプのアンチエイジング手法を指します。
このタイプは「ダーマスプリングリフト」などと言われていることが多く、別の特徴を持ちますので別記事にて取りあげたいと思います。
ここでは溶けない糸を数本挿入するタイプのものをスレッドリフトとして説明させていただきます。
スプリングスレッドリフトの特徴
スプリングスレッドリフトの最大の特徴は、『スプリングスレッド』と呼ばれるスレッド(糸)にあります。
スプリングスレッドは、コグと呼ばれる棘が、90度の角度で4方向についているという特徴があります。
コグの間隔は、1cmあたり24個ととても高密度で、また糸にも伸縮性があるため、肌を引き上げる力が強く、理想的なリフトアップが望めます。
引き上げる力は強いのですが、突っ張りや痛みもなく、笑顔などの表所も、とても自然です。
また、口や目の周りといった、よく動かす箇所にも使えます。
糸が緩むこともなく、効果も長持ちします。
<スプリングスレッドリフトの特徴>
- コグ(棘)が90度の角度で4方向についている
- コグの数が1㎝あたり24個と高密度
- スレッド(糸)に伸縮性がある
柔軟性のあるシリコン素材と弾力性を持つポリエステルで構成された糸を使用するのがスプリングスレッドの特徴です。(糸は吸収されません)
<スプリングスレッドリフトの効果>
- 強力なリフトアップ力を実現
- 突っ張りや痛みがなく表情が自然
- 良く動く口や目の周りにも埋め込めるので中央部分を直接リフトアップできる
- 緩みがないので効果が長持ちする
スプリングスレッドリフトの施術法
最初に引き上げる部位(額、頬、口元、フェイスラインなど)を決めます。
長めの針を頭皮から引き上げたい部位に向かって刺入します。
ここで使用する針は、ボトックスやヒアルロン酸注入などで使用する針よりも太めなため最初に局所麻酔をします。
恐怖心が強い場合、笑気麻酔だけでなく静脈麻酔を使用して完全に眠った状態で行うクリニックもあります。
糸の刺入法には単純にそのまま挿入する「ストレート法」と交差させるなどして入れる「エックス状の挿入法」の2つがあります。
優劣は特にあるわけではないでしょうが、ドクターにより見解が分かれるところです。
万が一、抜くなどの必要性があるときは前者の簡易な挿入方法の方が抜去はしやすいと考えられます。
スプリングスレッドリフトのデメリット
従来のスレッドリフトのデメリットをすべて解消できると言われているスプリングスレッドリフトですが、まったくデメリットがないわけではありません。
特に「エックス状の挿入法」を試される場合は、デメリットを認識しておいたほうが良いでしょう。
エックス状の挿入法は顔の糸をいったんまとめて、頭側の糸でエックス状に吊るすため、ストレート法と比べて下記のような不具合が出る可能性があるためです。
- たるみに合わせた微妙な引っ張り具合が出せない
- まとめた糸に負荷がかかり頭痛が生じる
- 緩みが生じやすい
- 異物に対する反応(しこりなど)や感染リスクが高くなる
- 糸の引っ張り加減が難しく、担当医によって仕上がりや持続時間が変化する
スプリングスレッドリフトは確かに効果的なスレッドリフトですが、担当医の施術法選択によって効果が違ってくるというわけです。
スプリングスレッドリフトの注意点
それではスプリングスレッドリフトの注意点を説明しましょう。
スプリングスレッドの失敗とは
こういった施術で一番多いのが、効果が感じられないという声です。
これは患者側からは完全な失敗と言えるケースですが、そのほとんどが埋め込んだ糸の本数が不十分であったり、または埋め込んだ場所が適切でなかった(気になる部分が医師に伝わっていなかった)ことが原因となっています。
糸の再調整で修正できますが、料金が発生するクリニックもあるので、施術前には保証期間の有無や再調整が無料かどうかをシッカリと確認しておきましょう。
スプリングスレッドのダウンタイム
まず、ダウンタイムとは、傷痕や腫れ、内出血や痛みなどで人前に出にくかったり活動が制限されてしまう時間のことです。
スプリングスレッドのダウンタイムは、長くて2週間程度です。
糸を挿入した針穴の跡は細い針ですので1日で分からなくなることがほとんどです。中には腫れが出ることもありますが(腫れというよりむくみ)、これも1週間程度で引くでしょう。
またまれに内出血を起こす方もおり、この場合は消えるまでに2週間程度の日数が必要になります。多くの場合内出血は針穴周囲数㎜程度ですので、女性であれば化粧でカバーできるくらいです。
痛みに対しては個人差もあるようですが、冷やすことで痛みが多少収まります。
それでも痛みが引かない場合は、処方された鎮痛剤で痛みは和らぐので、ダウンタイム中は処方された鎮痛剤を飲むようにしましょう。
スプリングスレッドの後遺症
後遺症として考えられるのは、施術個所ではないところに凹みやひきつれができる可能性があることです。
これも失敗例と同様に医師の技術が大きく影響してくる問題です。
こういった後遺症を負う羽目にならないためにも、症例が多く、技術力の高いクリニック選択が重要となってきます。
スプリングスレッドリフトの価格帯
施術費用は何本糸を埋め込むのかによって大きく違ってきます。
糸は一本当たり5~10万円くらいですが、通常施術で使用するのは顔の両側で少なくて6本、多くて10本というのが一般的です。
よって、一般的な施術費用は40~60万円といったところでしょう。
埋め込む糸は6本、8本、10本とセットとなった料金体系を設定しているところがほとんどです。
クリニックのスキルが高いことは言うまでもありませんが、セット料金がお得なところを選ぶのも忘れないようにしましょう。
まとめ
スプリングスレッドリフトは、従来のスレッドリフトのデメリットを解消した非常に効果の高いリフトアップ方法です。
しかし、施術には高度の技術が必要となるため、担当医の技術次第というところが大きいのも事実です。
本来の効果を思い切り体感したいなら、まずは確かな技術を持った医師のいるクリニック探しが重要になってきます。
決して安価な施術費用ではありませんから、いやな思いをしないためにもこの点は重々理解しておきましょう。
よくある質問
糸を入れていても危険はないですか?
生体適合性の高い素材でできており多くの糸は吸収されるため、素材自体が原因でトラブルになることは低いですよ。
一番注意しなければならないのが感染です。
感染すると抗生剤で散らすことができないため、感染した糸を抜くしか方法はありません。
スプリングスレッドリフトを受けると、顔に凹凸ができることがあると聞いたのですが、本当ですか?
そこは、医師の技術力が大きく関係してくるところになります。
1週間程度で馴染む凸凹なら問題ありませんが、そうでないケースも少なくありません。
経験豊かなドクターであればあるほど、綺麗な仕上がりになりますので、信用できるドクターを探してみましょう。