ハッピーリフトは切らないリフトアップ術のひとつで、溶ける糸をお顔のたるみの気になる部分に針で挿入したるみを矯正することで若返りや美肌効果を得られる施術です。
ハッピーリフト

ハッピーリフトの糸は、図のように突起がついておりここが皮膚の下でひっかかることで引き上げる効果を出します。
ただ、その糸を筋膜などにひっかけてくるわけではなく単純に皮下に入れてあるだけなので強い力はかからず、糸のリフトアップの中ではアップさせる効果は弱いのですが、逆に大きな変化をさせないことがメリットでもあり自然な仕上がりになります。

この自然な仕上がりこそがハッピーリフトの特徴とも言えます。
ここではハッピーリフトについて解説していきましょう。

ハッピーリフトとは?

ハッピーリフトは生分解性ポリマーで作られている「ハッピーリフト」という溶ける糸を、皮膚下に通し、たるみを改善するリフトアップ治療法です。
しかし、リフトアップといっても強い力で引っ張り上げる種類のものではありません。

ハッピーリフトで得られる効果

ハッピーリフトの効果は主に2種類あります。

1. たるみ改善

ハッピーリフト
糸に付いている棘が皮下組織に引っかかります。
糸は両端に細かい棘がついており、これによって挿入した10㎝程度の距離の皮膚にテンションがかかりたるみを改善させます。

糸のリフトでは、糸の片方をこめかみあたりの筋膜など深い部分にしっかり固定してきて引っ張り上げる力を最大限かけれるようにする方法もありますが、ハッピーリフトでは単に皮下組織に入れているだけのやり方ですのでテンションは強くかかりません。

またそれゆえ糸の本数・位置を自由に調整することが可能で、様々なたるみの症状に対応が可能となります。

2. 美肌効果

ハッピーリフトの施術は、美肌にも効果があります。
埋め込まれた糸に対し、皮下では「創傷治癒」と呼ばれる傷を治そうという力が働き、古い細胞から新しい細胞に置き換わることで、肌にツヤとスベスベ感が生まれます。

また糸は皮下で分解されます。
分解されるからこそ溶ける糸なのですが、このときコラーゲンやエラスチンといった線維組織が増えます。

これらの作用によりハッピーリフトの糸が溶ける約1年間、糸の周りでコラーゲンやヒアルロン酸の増殖と皮膚の線維化が進み、肌の弾力性とハリがアップし美肌効果が生まれるというわけです。

ハッピーリフトの特徴と施術法

ハッピーリフトは、溶ける糸を使用し強いテンションをかけることなく自然なたるみの改善をもたらします。
特徴は、その自然さにあります。

通常、リフトアップ手術といえばある程度の力でつり上げるのが一般的です。
これによって大きく変化しすぎてしまったり、人によっては目もつり上がってしまったりなど表情に影響の出る場合もあります。

最近は糸のリフトアップが主流になり、あまり切ることはなくなりこのような大きな変化をおこしてしまうことは無くなったものの、ある種の糸のリフトではまるで切って行う従来のリフトアップのように吊り上がりが強いものもあります。

その点、ハッピーリフトはがっつりつり上げるタイプのものではありませんので、すごく変化しすぎたらどうしようという心配はいりません。
糸を皮膚内に入れる際、フローティングタイプと呼ばれる方式を用いるため、基本的に糸を入れる場所の自由度が高く、決まった方向ではなく様々な顔面の形に適応することが可能です。

ハッピーリフトの一般的な施術法

まず引き上げたい部分をマーキングし、その部位に局所麻酔を打ちます。

痛みが恐い方は表面麻酔を使用すると良いでしょう。
表面麻酔をしてもまったく痛くないというわけではありませんがやや鈍くなりますし、気持ちも楽になります。
術中は笑気麻酔を使用したり、静脈麻酔で眠った状態で行うクリニックもありますので術中の麻酔についてもよく確認しましょう。

局所麻酔が終われば基本的に術中に痛みを感じることはなくなります(触っている感覚は残ります)。

皮膚の下にまずは長めの針を通します。
針の中に糸を通せる穴があいていますので、そこにハッピーリフトの糸をトンネルさせて針を抜けば糸が挿入されるしくみです。

糸の両端は皮膚の外に出た状態になりますが、余分な糸を切って皮下に入れ込めば施術は終了です。
慣れた施術者であれば1本あたり数分で挿入できます。

ハッピーリフトのデメリット

ハッピーリフトはかなり手軽に受けられるリフトアップ治療法ですが、デメリットもいくつかあります。

ハッピーリフトは単に皮下に挿入されているだけで、どこかにひっかけて吊り上げるタイプのものではないですからいわゆるリフトアップの大きく変わるイメージを持たれてこの施術にのぞむと物足りなさを感じると思います。
逆に、大きく変化させたくない方にとってはメリットとも言えます。

また挿入された糸は溶けていく過程でコラーゲンを増やしますが、1年くらいで溶けてしまいますので糸を入れたからと言って何年も効果が持続しますというものではありません。

また、スレッドリフト全般的に言えることですが、ハッピーリフトは、医師の技術・経験で、その効果と仕上がりに大きな差が生まれてしまうため、よく調べずに技術のない医師に施術されると、腫れが引かなかったり、表情が崩れる恐れがあるなど、かなりのリスクを伴うリフトアップ治療法でもあります。

もし、施術が失敗してしまうと、ダウンタイムが長引いたり、効果が全くない、もしくは効果がすぐに切れる等の術後のトラブルにつながりますので、医師の選択は慎重に行う必要があります。

ハッピーリフトの施術前に知っておくべき注意点

ハッピーリフトは糸のリフトの中でも引き上げるという効果は強いものではありません。
それは何度もお話ししていますが、皮下に挿入しているだけでひっかけて吊り上げるという方式ではないからです。

ですので大きくリフトアップ効果を狙う方は、ほかの糸のリフトアップの方が良いでしょう。

ハッピーリフトが体内に吸収される際にコラーゲンなどの美肌を促進する成分が生成されますので、たるみの引き上げ効果を期待するよりも、美肌効果の法を期待する方が望ましいと思います。

術後の注意点としては、入浴・洗顔・化粧・飲酒などは翌日から、激しい運動は数日後からが良いでしょう。
施術に際し大きなダメージはありませんが、腫れや内出血が多少でることがあるからです。

ハッピーリフトの価格帯

1本当たり、10000円~80000円とばらつきがあります。
糸は合計6~8本を1回の施術で使用しますので、予算は10万円~50万円前後となります。

初診料は無料のクリニックも多いですが、初診料が有料の場合には約3,000円が別途かかります。
局所麻酔は施術料に含まれますが、笑気ガス麻酔を使用する場合は3000円、静脈麻酔を使用して眠った状態で行う場合にはこれも別途20000円~50000円かかる場合があります。

クリニックによって料金の大きな違いがありますが、ハッピーリフトで使用する糸自体は同じです。
必ずしも料金が安い高いで経験や技術に差があるわけではないことを意識してクリニック選びをしましょう(大手美容外科を除いて、かえって多くの施術をしているために糸を安価に大量に仕入れている場合もあります)。

まとめ

今回、ハッピーリフトの効果とそのデメリットについてご説明しましたが、ハッピーリフトはリフトアップの効果は極めて薄いです。

もし、美肌効果よりもリフトアップ効果を望んでいる場合、ハッピーリフト以外のスレッドリフトを受けることをおすすめします。

ハッピーリフトに関するよくある質問

ハッピーリフトに年齢制限はありますか?
特に年齢制限はありません。
ただし引き上げ効果は強いわけではない為、比較的たるみが強い場合にはより引き上げ効果のあるリフトアップの方が満足度が高いかもしれません。
皮膚の引き締め効果があるので、まったく効果が無いわけではありません。
妊娠・授乳中もハッピーリフトの施術はできますか?
妊娠・授乳中の方は施術を避けた方が良いですが、そもそも多くのクリニックでは通常受けることはできません。
ハッピーリフト自体が妊娠・授乳に影響を与えることはありませんが、麻酔を使用したり万が一感染症をおこした場合に対応しづらくなるおそれがあるためです。
もし妊娠を知らずに施術してしまった場合でも全く心配いりませんのでご安心ください。
以前にハッピーリフトや他の糸の施術を受けたのですが、受けることはできますか?
可能です。
糸のリフトアップは繰り返し行うことでメンテナンスされていきます。
どんな美容の施術も老化現象を抑えることはできませんので定期的に繰り返し行うことにメリットがあるとも言えます。
糸が溶けきる前の施術であっても問題ありません。