切開法による二重整形

まぶたの皮膚が厚く埋没法だけでは綺麗な二重まぶたに出来ない方や、埋没法を受けたが元に戻ってしまった方にオススメの施術で、その名の通り上まぶたを切開し二重のラインを形成する手術です。

二重整形切開法

まぶたの状態を確認し、二重のラインをどの位置につくるか十分にシュミレーションして切開線のデザインを行います。傷が少しでも綺麗に治るように、皮膚を極細の糸を用いて丁寧に縫合していきます。二重が無理なラインでないか、縫合の方法や糸の種類によってその後の傷痕がキレイかどうかが決まります。

切開法は二重をつくったり大きくしたりする整形術のイメージが強いですが、二重の幅を狭くもでき、ナチュラルな二重を作ることが可能です。脂肪を取りスッキリとした二重まぶたにすることもできます。切開法による二重術に不自然な仕上がりのイメージを持っている人は切開法二重術=大きめの二重のイメージを持っているからだと思いますが、ナチュラルなサイズで施術すれば埋没法と遜色なく仕上げることも可能なのです。

1.切開法による二重整形手術の概要

施術はおよそ1-2時間で、麻酔は点眼麻酔・局所麻酔で可能です。その他、笑気麻酔(歯科でも使うような笑気ガスを吸いながら手術を行いますと、恐怖心も痛みも和らぎ楽にできます。)や静脈麻酔(鎮静剤によって眠っている間に手術します)を併用することも可能です。

切開した部分は極細の糸で縫合しますので、1週間後に抜糸する必要があります。

メイクは目元以外は当日から可能です(目元のメイクは抜糸後から)。入浴やシャワーも翌日から可能です。ただし、抜糸するまでは目元は触らないようにしなければなりません。

2.切開法による二重整形のメリット・デメリット

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メリット

切開法のメリットは、なんといっても埋没法よりも強度が強く取れにくい、希望通りの大きさで二重まぶたにできることです。そのためハッキリとした二重を希望される方に適しており、しかも永久的に二重の効果が持続するのです。埋没法では一時的にしかできなかった大きめの二重のラインなどを切開法ではしっかりと維持できるのが切開法による二重整形の最大の特徴と言えるでしょう。

また医師の視点からみるメリットもあります。二重整形を行う上で意外と見逃せないのは、日本人に特徴的なのですがまぶたの脂肪です。そのまぶたの脂肪が多い場合、埋没法で二重にしても自然に仕上がらなかったり、仮に埋没法のときに脂肪を一部とることもできますがその量は限られることが多いのです。切開法ではより多くの脂肪を取り除くことができる利点があるのです。

また以前埋没法による二重整形をしていた場合、残ってしまっている糸を取り除くこともできます。

<切開法のメリット>

  • とれにくい二重まぶたを作れる
  • 余分な皮膚・脂肪・埋没法の糸を除去できる

デメリット

しかしもちろん切開法による二重整形にはデメリットもあります。メスを使ってまぶたを切って二重を整形しますので腫れや内出血が出ますのでダウンタイムは長く、仕事や学校に通っている方にとっては二重整形する時期を選ばなければならないことが挙げられます。

また埋没法と違うのは、手術後には一重のまぶたには戻すことはできません(二重の幅を広げたり小さくしたりは可能です)。

そのため、手術を受けてから後悔することがないように、正しい知識を持った上で二重整形を検討することをおすすめします。

<切開法のデメリット>

  • 腫れ・内出血が出るためダウンタイムがある(特に術後1週間)
  • 場合によって傷痕が目立つことがある

3.全切開法の二重整形が向いている方

切開法が向く方

基本的に埋没法で二重整形が可能であればまずは埋没法をすすめていくのが良いと思います。しかし、まぶたが厚く思ったように二重のラインがつかない方、蒙古ひだといって目頭にできるひだが強く二重のラインが作りづらい方、アイプチを長くやっている方は切開法でないと難しい場合があります。特にアイプチ歴の長い方は若くてもまぶたの皮膚が伸びてきてしまっていたり、皮膚が炎症を起こして硬くなっていたりなど埋没法による二重整形が難しい場合があります。

  • 二重のラインを長期的に持続させたい方
  • 皮膚の余りや皮下の厚みがあり、埋没法だけでは綺麗な二重まぶたに出来ない方
  • 埋没法を何度か繰り返したが、元に戻ってしまった方
  • 同時に目を大きくしたり、まぶたをスッキリさせたい方
  • 腫れや内出血が1-2週間でることを許容できる方

埋没法をおすすめする方

  • あまり大きめの二重のラインを希望しない
  • まぶたが厚くなくシュミレーションだけでもはっきり二重の跡がつく方
  • 初回の施術であったり、切るのが怖い方

4.切開法による二重整形の経過

一般的な切開法二重整形の腫れや落ち着くまでの期間について解説します。切開法による二重整形は医師によってその細かい術式が異なりますし、施術を受ける側の要因としても希望する二重のラインの大きさ、まぶたの厚さや脂肪の量、どれくらい余分な皮膚を取り除くかによっても変わってきます。

痛みはどうか

手術中は麻酔をしていますのでほとんど感じることはありません。手術直後も麻酔が効いていますので大丈夫ですが、2-3時間後から徐々に痛みがでてきます。腫れと相関しますので翌日あたりが痛くなるピークだと思います。切っていますが、鋭い痛みというよりは鈍痛です。処方される痛み止めによって対応しますが、1週間も経過すればほとんど腫れもひいてきますのでそれに合わせて気にならないレベルになってきます。むしろ抜糸前はチクチクと糸が触れる痛みに変わります。

腫れと内出血はどれくらいで目立たなくなる?

切開法二重整形の術後は絶対に腫れます。手術当日より翌日から2,3日がピークでその後おさまってきます。その腫れが大きく引いてくるのは早ければ1週間で、遅ければ2週間ほどで徐々に引いてきます。この時期には濃いお化粧をして外に出れるようになります。

手術翌日に腫れと内出血はピークを迎え、腫れに関しては1週間後にはその7割が引いています。内出血は上まぶたにとどまるものもあれば、中には殴られたような内出血のあとが出る場合もあります。赤紫色から、黄色に変化していきその後目立たなくなります。1週間程度で内出血斑の7割は赤紫から黄色になっているのでお化粧で隠せばほぼわからないレベルにはなっていきます。

完成の目安は手術から3か月後

腫れと内出血は1-2週間でだいぶ目立たなくなります。しかし、1-2週間で完成と言う訳ではなく、その後の少しの腫れやむくみはもっと長い時間をかけて引いていきます。1か月後にはかなり綺麗になっていますが、おそらく細かく気になる部分が出てくることがあります。大きすぎたかもしれない、左右差がありそうなどといった点も、まだ完成までの途上ですのでここから経過をみていくとほとんど気にならなくなってくることが多いのです。この時期に大きすぎたなどの仕上がりの心配から再手術をしようとすることは絶対にやめましょう。たいていの症例は二重整形から3か月後に完成と思っているのが良いと思います。

5.切開法による二重整形の副作用

二重整形切開法

傷が残る

基本的には時間とともにきれいになり、二重のラインと一致するので気にならなくなる事が多いです。しかし、何度も切開法をしていたり、アイプチでまぶたの状態が悪かったり、術後に傷口から細菌が入ってしまった場合など特定の状況では傷の治りが悪くなることがあります。

それでも完成の目安とねる3ヶ月を超えて、もうしばらく経過をみる(半年程度)ことでかなりの改善が望めることが多いですが、修正が必要になることもあります。修正する場合は、傷口を切り取って再度縫い直す必要があります。

左右差

二重の幅に左右差が出る事があります。ただし、術後1-2ヶ月の間は腫れの引き方の左右差であることも多いの完成の目安となる3ヶ月くらいまでは様子を見ることもあります。

目の形に左右差があるので、左右が全く同じと言うのは難しいのですが、誰から見ても気になる左右差が出る場合もあります。この場合は修正の手術を行うことが多いです。

二重ラインが希望通りでない

完成時の二重のラインが広すぎるもしくは狭すぎる場合、修正が必要になります。しかし、医師の技量によるというよりはその方の目つくりなど解剖上の問題であることがあります。修正可能なものであれば、目頭切開をあわせたりなどして行う場合もあります。

目の開きが悪い

幅の広い二重まぶたを作りすぎると目の開きが悪くなることがあります。二重のラインはせっかく希望通り大きくなったのにこの場合ですと、眼はかえって小さく見えてしまいます。もともと目の開きが悪く目の小ささを気になれている方の中には、二重を広げればぱっちりした目になると勘違いをされている方もいます。シュミレーションのときにある程度予測できるので、医師がこれ以上大きくしない方が良いという場合には見た目の不自然さ以外に、このリスクの事も含めて言っていることがあるので注意しましょう。

メイクをしても二重ラインがぱっちり見えるというのはかなり大きめのデザインであることが多いのでこのことは知っておく必要があります。眼を大きく見せることを目的とするのであれば、二重を広げるのではなく「眼瞼下垂手術」という目をよく開くような手術を行う方が効果的です。

目を閉じても白目が見える

切開の時にまぶたの皮膚を取り過ぎると目が完全に閉じ切らなくなってしまい、目を閉じても白目が少し見えてしまう状態になってしまうことがあります。手術後には腫れの問題もあるため目が閉じ切らないことは散見されますが、3カ月程度すると改善してきます。

6.切開法術後の修正について

切開法で二重整形をした後でも修正のための再手術は可能です。もちろん二重の幅を大きくすることも小さくすることも可能ですが、もとが一重まぶたであった場合には、一重まぶたに戻すことはできません。再度切開して行いますので、ダウンタイムは初回手術のときと同様に生じます。修正のための再手術は、術後3ヶ月以内ではまだ完成ではなく改善してくることもあるため、最低でも3-4か月を経過した後の方が良いでしょう。

切開法のまとめ

二重整形において切開法は日本では埋没法に比べマイナーな施術かもしれません。また切るという先入観からか、「怖い」「傷が残りそう」「痛そう」「整形しました感が強そう」といったイメージが先行しがちです。二重整形における切開法は基本的な施術であり完成された手術とも言えます。その適応をきっちり選び、無理なく行えば本当にきれいに理想通りに仕上げることができるのです。

症例

切開法二重整形:幅広平行型二重をご希望された20代女性

20代の女性で幅広の平行型の二重を希望されました。
幅は広めで外れない二重が良いとのことで「全切開法二重術」となりました。また、目の上の脂肪(上眼窩脂肪じょうがんかしぼう)も取りたいとのリクエストでした。

目を開いた状態での6ヶ月の切開法の経過

  1. 手術前

    二重整形切開法術前

    末広型の二重まぶたで、お化粧をした時にはっきりとした二重になるようにしたいとのリクエストでした。

  2. 1ヶ月後

    二重整形切開法1ヶ月

    幅の広い平行型の二重になるようにデザインしました。上眼窩脂肪も取っていますので、仕上がりはもっとスッキリしてくることが予想されます。切開法では1ヶ月たつとだいぶ腫れが引いた感じがしてしまうのですが、腫れはまだ完全に引いていないため広めです。二重の幅はもう少し狭くなってきます。

  3. 3ヶ月後

    二重整形切開法3ヶ月

    切開法では3ヶ月経つとかなり完成の形になります。しかしかなりの幅広をご希望しでしたのでまだ完成ではありません。それでも1ヶ月目よりも二重の幅は落ち着いてきているのがわかります。

  4. 6ヶ月後

    二重整形切開法6ヶ月
    かなり広い幅をご希望でしたので落ち着くまでに時間がかかりましたが、二重のラインが完成しています。お化粧しないとかなり二重は大きく見えますが、このレベルですとお化粧したときにかなりくっきりの二重になります。

目を閉じた状態での6ヶ月の切開法の経過

  1. 手術前

    二重整形切開法閉眼

    末広型の二重まぶたで、お化粧をした時にはっきりとした二重になるようにしたいとのリクエストでした。

  2. 1ヶ月後

    二重整形切開法閉眼1ヶ月

    まだお傷痕が目立ちますが、メイクをすれば分かりにくくなります。1ヶ月目ですのでもっと目立たない状態になって来ます。

  3. 3ヶ月後

    二重整形切開法閉眼3ヶ月

    お傷痕もさらに目立たなくなって来ました。切開法では3ヶ月経つとかなり完成の形になります。しかしかなりの幅広をご希望しでしたのでこれでもまだ傷痕の改善は見込める状態です。それでもお化粧で十分隠れるレベルだと思います。

  4. 6ヶ月後

    二重整形切開法閉眼6ヶ月
    お傷痕は、ほとんど分からなくなってきました。かなり広い幅をご希望でしたので落ち着くまでに時間がかかりました。

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