(アイちゃんはカフェでバイトする女子大生です。)
・・・・・・。
ふぅ・・・。
あら、どうしたの?そんなに大きなため息をついちゃって。
あ、リプ先輩!いらっしゃい・・・。
あなた、悩み事ね?
何があったの?
実はこの小さい胸がコンプレックスなんです・・・。
あなたのチャームポイントは目なんだから気にする必要なんてないわよ!
リプ先輩の「おめめ」も素敵ですよ!
やっぱり?私のチャームポイントはなんといってもこの目よ!
・・・・。
(「目はどこにあるの?」なんて言えない!絶対言えないわ・・・。)
それでバストアップについてはもう調べているの?
いえ、具体的にはまだ・・・
イメージだけで、ネガティブな感情を持っているのね。豊胸手術も手よ?
美容外科では豊胸手術の技術がとても進んでいて、いろいろな方法があるみたいなのよ。
「胸が小さい」「貧乳」「授乳で胸がしぼんでしまった」・・・
多くの女性が抱える胸のコンプレックス。
世の中にはたくさんのバストアップマッサージやエクササイズがありますよね。
でもご存知でしたか?それらは実は医学的に証明されていません。
医学的にバストアップがなされる方法はただ1つ。
「女性ホルモン」
ただこれは妊娠や薬の作用でしかないので、女性ホルモンを自身でコントロールするのは非常に難しいものです。
ちなみにやみくもに女性ホルモンを増やすことは乳がんや子宮がんのリスクでもあります。
(最近は女性ホルモンを補充する事だけががんのリスクでないこともわかってきています。)
確実にバストアップを望むなら結局は「豊胸の施術」が一番近道なのかもしれません・・・。
この記事ではバストアップのための方法として、女性ホルモンの観点からお話します。
女性ホルモンと豊胸
えっ、でも女性ホルモンでバストアップできるならそれでいきたいですっ!
私はホルモンいっぱいでてるのよ!見てこの立派なナイスバディを!
・・・・。
(言えない、先輩の体の99%が唇でしょ?なんて絶対言えない・・・。)
女性の胸は、乳腺とその下の脂肪によって大きさが決まります。
胸を大きくするには二つの機序があることになります。
- 乳腺を大きくする
- 脂肪を増やす
そしてこれらに大きく作用するのが女性ホルモンなのです。
女性ホルモンとは
代表的な女性ホルモンの一つに「エストロゲン」があり、主に卵巣から分泌されます。
女性ホルモンの最も大事な作用は妊娠と出産に関してですが、それ以外にも働きがあるのです。
その一つにバストに関しての作用もあります。
1.胸を大きくし女性らしい体をつくる
女性らしい体というのは、胸が大きくなり体に丸みをおびるような体つきです。
筋肉がつきやすく肌に弾力性がない男性とは違った、肌に張りがでて柔らかい印象の女性らしい体つきは女性ホルモンによって形成されます。
髪の毛にも関係があります。
2.基礎体温を下げる
排卵時に大量にエストロゲンが出ると、基礎体温が下がるのはこのためです。
3.自律神経を整える
更年期障害の原因は女性ホルモン「エストロゲン」が減ることによって自律神経が乱れます。
4.骨を強くする
エストロゲンが減ると骨粗鬆症の原因となります。
つまり、女性ホルモンが多い方が胸は大きくなりやすいということが言えます。
では何が女性ホルモンに影響しているのでしょう?
女性ホルモンが影響を受けるものとは
女性ホルモンの分泌は生理周期、年齢、食事、ストレスそして妊娠出産などによって左右されます。
1.生理周期
月経が終わるころから排卵前にかけて、エストロゲンが多く分泌されます。
自律神経にも作用しますので、この時期は心と体が安定しやすいのが特徴です。
肌のコンディションも整いやすいでしょう。
このころ乳腺は発達しやすくなるためやや大きめになります。
2.年齢
若いうちは、脳からの刺激を受けた卵巣はたくさんのエストロゲンを分泌することができます。
年齢とともに卵巣の機能が低下すると、エストロゲンを十分に分泌できなくなります。
特に閉経後はエストロゲンが十分に分泌されなくなると、自律神経にも乱れが生じ、顔のほてりや発汗などの「ホットフラッシュ」とよばれる症状や、頭痛、動悸、肩こりなどの更年期障害の症状が現れるようになります。
またエストロゲンの減少は、骨ももろくなります。
乳腺も委縮していくため、胸は小さくなりやすくなります(脂肪もあるので一概には言えません)。
3.食事
栄養バランスが偏らないようにすることは大事です。
種々のビタミンは女性ホルモンの合成において重要です。
また卵巣のほか、体の脂肪はエストロゲンの作られる部位になります。無理なダイエットで脂肪を落としすぎないことも大事です。
4.ストレス
ストレスはホルモンの分泌に影響します。
生理不順の原因がストレスによるホルモン分泌がうまくいかないことが原因であることもあります。
ホルモンは卵巣から分泌されていますが、制御しているのは結局は脳なのです。
食事とも関連しますが、ストレスによって食事量が減れば脂肪量も減ります。
このことは胸を小さくしてしまう原因になります。
またコレステロールは女性ホルモンの原料でもありますから、これでは女性ホルモンの量も少なくなってしまいます。
女性ホルモンを増やすには
規則正しい生活
食事の偏りがないように、睡眠をしっかりとることは大前提です。
適度に太ること!?
エストロゲンはコレステロールを原料に作られます。
通常は卵巣で作られますが、脂肪でも作られることがわかっています。
イメージしてもらうと分かりますが、マラソン選手のように「筋肉>脂肪」というように極限まで脂肪を落としてしまうとエストロゲン量は減ってしまい、乳腺は小さく、生理も不順になりますし、そもそも胸の脂肪まで落ちてしまいます。
女性ホルモンの維持にはある程度の脂肪が必要なのです。
女性ホルモンを補充する
避妊や月経困難に使われる低用量ピルが有名です。
ピルにはエストロゲンと黄体ホルモン(実際にはプロゲストーゲンという黄体ホルモンにこれからなるもの)が含まれています。
他には更年期障害の治療で使用される
人工的に女性ホルモンを補充しますので副作用のリスクがあります。
ですから胸を大きくする目的で女性ホルモンを補充することはおすすめできません。
大豆イソフラボンは女性ホルモンとして作用する?
女性ホルモンに関してよく言われているのは大豆に含まれている「イソフラボン」です。
正式にはこのイソフラボンは女性ホルモンそのものではなく、女性ホルモンに似ているということです。
ですからイソフラボンが女性ホルモンを増やすということではありません。
イソフラボンは女性ホルモンの1つエストロゲンとよく似た化学構造を持っているので、女性ホルモンのような作用をすると考えられています。
またイソフラボンは乳がんの発生をおさえるように作用することがわかっていますので女性の味方です(2003年 厚生労働省研究班の報告)。
ただ残念な報告もあります。
「男性がイソフラボンを摂取すると女性化するか?」という研究があるのですが通常摂取できる量では女性化乳房(男性であるが女性のような胸になる現象)は認めなかったようです。
つまり、通常の大豆摂取量ではバストアップを望むのは難しい可能性が高いのです!!
<文献>Messina M. Soybean isoflavone exposure does not have feminizing effects on men: a critical examination of the clinical evidence. Fertil Steril. 2010 May 1;93(7):2095-104.
豊胸サプリってどうですか?
「プエラリア」や「ガウクルア」という健康食品が有名です。
この成分をサプリにして、「エストロゲン作用があり豊胸できる」をうたい文句に販売されています。
ちなみに大豆イソフラボンにも植物性エストロゲンが含まれていますが、これらはより強力な薬効作用もあるようで貧血になったり、肝臓機能に障害を与えたりなど副作用報告もあります。
「イソフラボン」より「豊胸サプリ」が勝るというエビデンスはなく、結論的には効果よりもデメリットの方が多いです。
まとめ「豊胸と女性ホルモン」
- 乳房の大きさを決めているのは「乳腺」と「脂肪」
- 女性ホルモンは乳腺と脂肪に関係している
- 女性ホルモンを補っても必ずしも理想的な形になるわけではないし、維持するためにはある程度の脂肪量も必要となるとダイエットの点からは厳しい
ここまででおわかりいただけたと思いますが、女性ホルモンを増やして乳腺を大きくすることは確かに胸を大きくすることにはなりますが、乳房のはったような痛みもでますし必ずしも求めている美容的な観点からの美乳ではないかもしれません。
なるほどー、ってことは女性ホルモンの点からの豊胸はあまり現実的ではないってことなんですね。
それに女性ホルモンを維持するのには痩せすぎるのもだめってことね。
ああ、そうすると細い体に大きな胸はこのやり方では難しそうだわ。
私もこのぷるっとしたリップを貧弱にしたくないわね。
ですねっ!
(気づいたー!!先輩、やっと唇が目立ちすぎてることに気づいたー!!)
女性ホルモンは確かに重要な要素ですが、美乳という観点からは乳房の形から必要な部分に補って形を作る方が細い体で理想的な美乳を手に入れられる方法ということになりますね。